シャドーイングの効果的とやり方とは?リスニングやスピーキングに効く方法を詳しく解説
シャドーイングは、英語学習者にとって非常に効果的な学習法として評価されています。特に、リスニングやスピーキング、発音などを同時に強化できる点で、多くの教育者や学習者に支持されています。
この学習法を正しく使えば、短期間で英語力を飛躍的に伸ばすことが可能です。
この記事では、シャドーイングがどのように英語力向上に寄与するのか、具体的なやり方、そしてTOEIC対策にもどのように活用できるのかを詳しく説明します。シャドーイングを使って本気で英語力を伸ばしたい方にとって、必見の内容です。
シャドーイングの効果:リスニング力向上
シャドーイングを行うことで、リスニング力のどの部分がどのように向上するのかについて解説してみました。
音声処理能力の強化
シャドーイングの基本的なプロセスは、聞いた音声を即座に口に出して発話するというものです。この「音を聞き、すぐに発話する」というプロセスが、脳の音声処理能力を強化します。
人間の脳は、音を聞いて理解するまでに数段階のプロセスを経ます。まず、耳で音をキャッチし、その後、脳がその音を意味のある単語や文として解釈します。
このプロセスを繰り返すことで、脳が音声を効率的に処理するように鍛えられ、リスニング力が向上します。シャドーイングではこのプロセスがスピーディーに行われるため、短期間での効果が期待できます。
日本語で調べるよりも英語で「shadowing」と調べると多くの論文等が見つかるので、気になる人はチェックしてみると良いです。
音韻認識力の向上
シャドーイングのもう一つの効果は、音韻認識力の向上です。音韻認識力とは、言語の音素、つまり「音の単位」を聞き分ける力です。
特に英語のように、音がつながりやすい言語では、単語の境界が曖昧になりやすく、リスニング時に混乱する原因となります。シャドーイングを通じて音の切れ目を的確に聞き取る力が養われ、ネイティブスピーカーの速い会話にも対応できるようになります。
例えば、“gonna” や “wanna” といった日常会話で使われる音の連結や省略も、シャドーイングを繰り返すことで自然と聞き取れるようになります。この能力は、特に英語のリスニング試験において大きな武器となるでしょう。
聴覚記憶と反射的反応の強化
シャドーイングは、短期記憶や反射的反応を鍛える上でも効果的です。聞いた音を瞬時に発話するためには、音声を脳内で保持し、素早く処理して反応しなければなりません。これにより、短期記憶が活性化され、英語の文を即座に理解する力が高まります。
特にTOEICのリスニングセクションでは、速いペースで次々と情報が流れるため、短期記憶の強化は大いに役立ちます。このプロセスを繰り返すことで、脳が反射的に音声を理解し、発話するようになります。
音声と意味の連携強化
リスニング力向上には、聞いた音声を意味と迅速に結びつける能力が重要です。シャドーイングでは、音声を聞き取りながら即座に発話するため、脳が音声を意味と結びつける速度が速まります。
普通のリスニング練習では、聞き取った後に意味を解釈しようとすることが多いですが、シャドーイングでは瞬時に音と意味を結びつける必要があります。
この「音と意味の即時連携」が強化されることで、実際の会話やリスニングテストで、聞いた内容を即座に理解できるようになります。
TOEICリスニングセクションへの応用
シャドーイングは、TOEICのリスニング対策としても効果的です。TOEICのPart 3(会話問題)やPart 4(説明文問題)では、会話のスピードが速く、また複数の話者が登場するため、聞き取るのが難しい部分が多いです。
シャドーイングを繰り返すことで、速い会話のリズムや話者間の音声の切り替わりに慣れることができ、試験中のリスニングスコアが向上します。
シャドーイングはTOEICリスニングの頻出表現やフレーズを効率よく覚える手段でもあります。シャドーイングを行うことで、こうしたフレーズが自然と頭に残り、試験本番でスムーズに解答できるようになります。
※TOEIC対策については以下で詳しく解説しています。
シャドーイングの効果:スピーキングと発音の改善
シャドーイングは発音やスピーキング力の向上にも効果的です。単にリスニングを強化するだけでなく、発音やリズムを自然に身につけることができます。
音のリズムとイントネーションが体得できる
英語の発音は、リズムやイントネーションが重要です。日本語と異なり、英語には強弱があり、このリズムを理解しないと、ネイティブスピーカーのような発音にはなりません。
シャドーイングを通じて、英語独特の音の流れやリズムを体得できるため、より自然な発音が可能となります。
発話速度と自信がつく
シャドーイングを繰り返すことで、発話のスピードが自然に速くなり、英会話の場面でもためらわずに発話できるようになります。発音が向上することで、自信がつき、流暢に話せるようになる点が大きな強みです。
シャドーイングの具体的なやり方:ステップごとに解説
シャドーイングは効果的な英語学習法ですが、その効果を最大限に引き出すには、正しいやり方で進めることが重要です。
以下に、シャドーイングを成功させるためのステップを詳しく説明します。
①音声を選ぶ
まず、自分のレベルに合った音声を選びましょう。初級者は短くてシンプルな会話やナレーションから始め、中級以上の学習者はニュース、TED Talks、またはTOEICのリスニング問題などの高度な素材を使用すると良いです。
難しすぎる素材は避け、少し難しいと感じるものを選ぶことで、無理なくステップアップできます。
ポイント
初心者向け:子供向けの物語
中級者向け:TOEICリスニング問題、ニュース番組(BBCやNPR)
上級者向け:ドキュメンタリー、プレゼンテーション(TED Talks)
②スクリプトを使って事前準備
次に、スクリプトを確認し、音声を聞く前に内容を理解しておきます。これは特に初めて挑戦する音声で重要です。
スクリプトが手元にない場合でも、まず音声全体を通して聞き、理解できない単語やフレーズを調べるようにしましょう。この時点で、文章の意味をしっかり理解しておくことが後のシャドーイング練習の効率を上げます。
基本的にはスクリプトがある音声を使うのがおすすめです
また、ここのスクリプトの確認のときに英文を精読しておくと準備としてはさらに完璧になります。読んで理解できない英文は聞いても理解できないので、まずは精読を通して完璧にすると質が高いシャドーイングに繋がります。
ヒント
- スクリプトに目を通し、重要な単語やフレーズを確認(理想は精読)
- 音声を流し、スクリプトを見ながら耳で単語の音と目で文字を一致させる
③音声を聞きながら発話する
シャドーイングの中心的なステップは、音声を聞きながら同時に発話することです。まずは、スクリプトを見ながら音声に合わせて発話し、音声のリズム、イントネーション、単語の発音に注意を払いましょう。
慣れてきたら、スクリプトを見ずに音声だけを頼りに発話できるように進めます。
ヒント
- スクリプトを最初は見ながら練習し、徐々にスクリプトを離れて音声だけで発話
- 完璧さを求めるのではなく、まずは音声に追いつけることを目指す
④シャドーイングを繰り返す
シャドーイングは、繰り返しが鍵となります。スムーズに発話できるようになるまで、同じ音声を繰り返し練習しましょう。
回数は個人差がありますが、10回程度の練習で慣れる場合もあれば、複雑な音声では30回以上繰り返すことが必要です。
音声を繰り返すことで、内容が頭に入りやすくなり、リズムやイントネーションが自然に体得できるようになります。
練習のコツ
- 音声を何度も聞いて、追いかけるリズムを体で覚える
- 時間が許す限り、シャドーイングの回数を増やす(1つの音声を100回繰り返すことも効果的)
発音とリズムの重要性
シャドーイングを効果的に行うためには、発音やリズムにも十分注意を払う必要があります。発音の精度を意識し、できるだけネイティブに近い発音を目指します。
また、リズムに合わせて発話することも大切で、リズム感が英語の流暢さを向上させます。完璧な発音を求めるのではなく、まずはリズムとイントネーションを意識して、ネイティブスピーカーの音声に合わせて話せるようにしましょう。
難易度を段階的に上げる
初めてシャドーイングを行う場合は、まずは簡単な音声から始めましょう。難しい音声を無理に追いかけると、途中で挫折してしまう可能性があります。
短くてシンプルな英会話やニュースの一部から始め、徐々に難易度を上げていくことで、無理なくリスニング力とスピーキング力を向上させられます。
シャドーイングを続けるポイント
シャドーイングの効果を高めるには、継続が最も重要です。短期間では効果を実感できないかもしれませんが、続けることで着実に成果が現れます。
まずは1日10分でも構わないので、毎日シャドーイングの時間を確保し、音声を繰り返し発話することを習慣化しましょう。
まとめ
シャドーイングは、リスニング力、スピーキング力、発音など、総合的な英語力を強化するための非常に効果的なメソッドです。
特にTOEICのような試験では、シャドーイングを取り入れることでリスニングのスピードに慣れ、テスト本番でのパフォーマンスを大きく向上させることができます。